2018年4月9日訪城。
伊那路を北上して諏訪の温泉で一泊した翌日、当初は高島城に立ち寄るつもりだったが桜は既に散っているようだったので山梨県側へ移動して八ヶ岳の麓の高原へと向かった。諏訪よりも標高が高く寒い場所ならまだ大丈夫だろうという判断である。
向かった先は八ヶ岳山麓の流れ山に築かれた谷戸城跡で、今は北杜市の桜の名所に載っている場所である。この城は平安時代末期に甲斐武田氏の祖である逸見清光によって築かれた山城と伝わっており、戦国時代には武田信玄がここに信濃攻略の陣をおいている。
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谷戸城跡北麓 |
緩やかな斜面の高原地帯は独特の景色で、そんな中の流れ山という独立丘陵に城跡はあり、そこが今は桜の綺麗な谷戸城址公園となっている。桜はソメイヨシノが中心のようだが、画像のように一部オオシマザクラのような桜もあった。
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横堀 |
山の北側は八ヶ岳に続いている為に比高差が最も少ないが、この部分に横堀が設けられている。この横堀の隣(画像右外)の方にも横堀が埋まっているようなので、ある意味二重堀とも言える。
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城跡北面 |
山の北側はあまり傾斜はなく、四の丸や帯郭が設けられているが、大手口の堀から二の丸のあたりまでは堀も切岸も無く要害性が感じられない。
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二の丸の土塁と内側の空堀 |
山頂の本丸の周囲に二の丸があり、綺麗に輪郭式の縄張りを形成しているのが面白いが、土塁の内側に堀があるのも面白い。塹壕のようにも見えるが、城は15世紀には廃城になっていることが発掘から判っているので、土塁を登ってきた足軽を落とす為のものだろう。
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本丸 |
山頂の本丸はそこそこな広さで周囲を土塁が囲んでいるが、御殿があったようには見えないのであったとすれば籠城用の設備くらいだろう。一応、今は木々が邪魔だが南の方への眺めは良い。
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搦手口から見た城跡南面 |
山の南側は北側と違って急斜面で比高差も大きく、こちら側に搦手口が設けられている。画像の山の上伸びる溝は竪堀ではなく、搦手口からの堀底道とのこと。
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西出丸のモミの木 |
城の南西麓に西出丸があり、土塁らしきものが残っている。看板が立っているが、これは西出丸のモミの木が村指定の天然記念物に指定されていることを説明したもの。
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北杜市考古資料館 |
城の北側の大手口の外には北杜市考古資料館があるが、非常に残念なことにこの日は休館日で中を見ることは出来なかった。
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付近の寺院の枝垂桜 |
城跡の周辺でもちょうど桜が見ごろになっており、西側の寺院にある桜が綺麗だった。特に道喜院の枝垂桜は見事だった。