2018年5月28日月曜日

2018年の花見旅:龍岡城(長野県佐久市)

2018年4月9日訪城。

谷戸城を散策した後は八ヶ岳山麓から再び長野県へと入り、今度は佐久方面へと移動した。目的地は臼田の山あいにある龍岡城である。

龍岡城は幕末に松平乗謨によって築かれた西洋式の城郭で、その形は星型で、日本に二つしかない五稜郭の一つである。ちなみに函館五稜郭の1/5くらいのサイズらしい。

五稜郭公園
龍岡城を訪れるのは数年ぶりで2回目になるが、城址の隣に前回は無かった「五稜郭公園」やが出来ていた。画像奥の芝生は判り辛いが上から見ると五稜郭と同じ模様になっているという。

水堀と桜
龍岡城自体は今は小学校になっているが、堀に沿って桜が植えられており、ソメイヨシノはピークを過ぎていたが、高遠コヒガンザクラが満開で綺麗だった。画像左が高遠コヒガンザクラで、右がソメイヨシノ。


大手門跡
龍岡城は五稜郭なのでそれぞれ5つの方向に城門があったが、北東が大手門跡だったようである。今も北東と北西の城門跡が学校の入口になっている。南東にも城門跡があるが、こちらは工事の為閉鎖されていた。


であいの館付近の桜
大手門跡の外側には「であいの館」というちょっとした資料館のような観光施設があるが、場所柄観光客が沢山来るわけではない様で、地元の方々のお茶会場のようになっていた。なお、この館の外にある桜(画像右側)はベニヤマザクラらしく、この時はまだ五分咲き程度だった。

招魂社
大手門跡から城内に入ると小学校の敷地ではあるが、入ってすぐ右には招魂社が祀られていた。幕末の戊辰戦争の戦死者を祀った神社らしく、その後の日露戦争等の戦死者も祀られている為、神社の種類としては護国神社に近い系統である。


御台所櫓
龍岡城は土塁と堀と石垣がよく残っているが、建物としては御台所櫓だけが城内に残っている。廃城後にほとんどの建物は払い下げられたが、台所櫓は倉庫として、後に学校の校舎として再利用されたという。

2018年5月26日土曜日

2018年の花見旅:谷戸城 (山梨県北杜市)

2018年4月9日訪城。

伊那路を北上して諏訪の温泉で一泊した翌日、当初は高島城に立ち寄るつもりだったが桜は既に散っているようだったので山梨県側へ移動して八ヶ岳の麓の高原へと向かった。諏訪よりも標高が高く寒い場所ならまだ大丈夫だろうという判断である。

向かった先は八ヶ岳山麓の流れ山に築かれた谷戸城跡で、今は北杜市の桜の名所に載っている場所である。この城は平安時代末期に甲斐武田氏の祖である逸見清光によって築かれた山城と伝わっており、戦国時代には武田信玄がここに信濃攻略の陣をおいている。

谷戸城跡北麓
緩やかな斜面の高原地帯は独特の景色で、そんな中の流れ山という独立丘陵に城跡はあり、そこが今は桜の綺麗な谷戸城址公園となっている。桜はソメイヨシノが中心のようだが、画像のように一部オオシマザクラのような桜もあった。


横堀
山の北側は八ヶ岳に続いている為に比高差が最も少ないが、この部分に横堀が設けられている。この横堀の隣(画像右外)の方にも横堀が埋まっているようなので、ある意味二重堀とも言える。


城跡北面
山の北側はあまり傾斜はなく、四の丸や帯郭が設けられているが、大手口の堀から二の丸のあたりまでは堀も切岸も無く要害性が感じられない。


二の丸の土塁と内側の空堀
山頂の本丸の周囲に二の丸があり、綺麗に輪郭式の縄張りを形成しているのが面白いが、土塁の内側に堀があるのも面白い。塹壕のようにも見えるが、城は15世紀には廃城になっていることが発掘から判っているので、土塁を登ってきた足軽を落とす為のものだろう。


本丸
山頂の本丸はそこそこな広さで周囲を土塁が囲んでいるが、御殿があったようには見えないのであったとすれば籠城用の設備くらいだろう。一応、今は木々が邪魔だが南の方への眺めは良い。


搦手口から見た城跡南面
山の南側は北側と違って急斜面で比高差も大きく、こちら側に搦手口が設けられている。画像の山の上伸びる溝は竪堀ではなく、搦手口からの堀底道とのこと。


西出丸のモミの木
城の南西麓に西出丸があり、土塁らしきものが残っている。看板が立っているが、これは西出丸のモミの木が村指定の天然記念物に指定されていることを説明したもの。


北杜市考古資料館
城の北側の大手口の外には北杜市考古資料館があるが、非常に残念なことにこの日は休館日で中を見ることは出来なかった。


付近の寺院の枝垂桜
城跡の周辺でもちょうど桜が見ごろになっており、西側の寺院にある桜が綺麗だった。特に道喜院の枝垂桜は見事だった。

2018年5月19日土曜日

2018年の花見旅:光前寺 (長野県駒ケ根市)

2018年4月8日訪問。

大草城の散策後、望岳荘で昼食をとってから駒ケ根へと移動した。余談になるが、この望岳荘の中にある「ハチ博物館」がなかなか凄かった。蜂研究家の先生がなかなかぶっ飛んでいて、とんでもないものを展示していたのが凄い衝撃的だった。

駒ケ根に移動後は駒ヶ岳ロープウェイ行きのバスに乗り、途中の切石公園下で下車。そこから南に行った場所にある光前寺に向かった。ここは戌年の初詣の候補地にしていた場所で、犬にゆかりのある寺院である。

水仙駐車場
寺の前にある駐車場には水仙駐車場という名前が付いていたが、その名の通り周囲は無数の水仙で囲まれており、ちょうど花が咲き誇っていて綺麗だった。


仁王門前の枝垂桜
光前寺の桜はこの時はまだ満開前で種類によっては咲き方がマチマチだったが、全体的には7分咲きくらいだった。


庭園の桜
庭園の桜の中には満開の桜もあったが、たぶんソメイヨシノだろうか?ソメイヨシノにしてはやけに白くてスラっとしていたので別の桜かもしれない。


桜と南アルプス
光前寺は思いのほか多くの観光客で賑わっていたが、やけにカメラマンが密集している場所があって、何を撮っているのかと思ったら桜越しの南アルプスを撮っているようだった。桜が満開なら確かに見事な絵になりそうだった。


この寺は苔も名物なようで、石垣の隙間にある「光り苔」を探している観光客も多くみられた。確かに石垣の隙間で光っているような苔はあったが、残念ながら写真に撮っても何が何やら判らない状態だったので、画像は苔むした古道にした。


三門
仁王門と光り苔の石垣の参道の先には大きな三門があり、これがなかなか大きくて圧倒された。ここに来るまでは小さな寺だと勝手に思っていただけに余計驚いた。


池と本堂
三門の先には池があり、池の脇に手洗いがあって、その先が寺の本堂だった。本堂でお参りした後は、本堂の売店でくじというよりもインテリアに良さそうな「早太郎おみくじ」を買って帰った。


三重塔と早太郎
早太郎は700年ほど前に遠州の見附村で人々を苦しめていた狒々の妖怪を退治した霊犬で、この寺から旅の僧に請われて旅だったとのことである。今の遠州である静岡県側でも同様の昔話が残されており、向こうでは名前が変わって「しっぺい太郎」と呼ばれている。

2018年5月12日土曜日

2018年の花見旅:大草城(長野県中川村)

2018年4月8日訪城。

大草城はちょうど段丘の岬状地形になった場所にあって現在は城址公園となっており、伊那田島駅から歩いた結果、山から谷に降りてまた山に登るという予想よりも大変な経路だった。一応、コミュニティバスでも来れるのだが、休日は運休という欠点があって使えなかった。なお、大草城は大河原の香坂氏の支城で、南北朝時代に南朝の拠点として利用された場所だという。

城址公園入口
岬状地形の山側に公園の入口はあり、ちょうど桜祭りをやっていたためここでは交通整理が行われていた。画像の桜はソメイヨシノと思われ、ピークを過ぎていたために既に花びらが散ってしまったものが目立っていた。


桜祭り
城址公園の主郭の北側腰郭あたりを会場として祭りが行われてあり、ローカルイベントらしく歌や踊りが披露されていた。祭りに定番の出店も出ており、多くの地元の方で賑わっていた。


腰郭
会場となっている腰郭の部分は普段は遊具のある公園と駐車場になっているようで、画像の奥に見える高台が主郭跡である。


主郭
主郭の上はそこそこ広さがあり、中央に巨石で組まれたさらに高い東屋があるが、これは流石に城址に関係無いもので公園を造るときに築かれたものだろう。


枝垂桜
城址の桜は思ったよりも多種多様で、ソメイヨシノと一部の八重桜以外の桜はちょうど満開でなかなか綺麗だった。


二の郭?
岬の先端側は主郭よりも一段低い郭で主郭よりも広いため、ここが二の郭と思われるが削平地以外にこれといって目立つ城址遺構は見当たらなかった。


城址の桜と中央アルプス
桜もまだまだ見頃で花見にはいい天気ではあったが、この日はけっこう寒く、山を見ると雪が積もっている、と言うよりもちょうど雲がかかって雪が降っているような場所も見られた。なお、城址から西側正面に見える山々は中央アルプスこと木曽山脈で、これはこれで信州らしい絶景だった。