2019年2月16日土曜日

晩秋の山形の旅:片倉山館(山形県米沢市)

2018年11月3日訪城。

愛宕山から東に延びた尾根の先には片倉山があり、愛宕山より100mちょい低いものの、こちらも城塞群の一角である片倉山館となっている。片倉山館は片倉景綱の居城という言い伝えもあったが、正確には斜平山の城塞群のうちの片倉氏の担当した砦に名前が残ったものだと考察されている。

愛宕山から片倉山に下りる道
愛宕山から片倉山へは下り道なので迷うことも無く楽かと思ったが、最初から急斜面を落ちるような道で既にクライマックスだった。画像だと全くそれが伝わっていないが、急斜面を狭い道がひたすら九十九折になっており、所々木に捕まらないとキツイ場所があってカメラを構える余裕も無かった。


堀切
急斜面を降り切るとなだらかな尾根になり、しばらく進むと画像の堀切に出た。片倉山館としては恐らくここが西端部になるのだろうか。


道標
堀切には道標が立っており、ここはちょうど山の北側からの登山道と合流するT字路にもなっている。もしかすると堀切ではなく愛宕山に登る参道として削られた場所かもしれない。

曲輪?
堀切を越えた先は曲輪かと思ったが、どうも曲輪らしくない微妙な地形で判断に困る。


堀切と土橋
さらに進むと堀切と土橋に出るが、もしかするとここから先が片倉山館の縄張りかもしれない。堀切は城としてはかなり甘い造りだが、自然に土橋状になったとするには不自然すぎる地形のため、風化して今のようになったと考える方が納得がいく。


片倉山館の主郭
ようやくのことで片倉山館の主郭にたどり着くも、内部は山道以外は藪のため曲輪の周囲にある土塁もちゃんと写真に収めることが出来なかった。井戸跡もあるそうだが結局確認出来なかった。


片倉山からの眺め
片倉山は木々の為に愛宕山ほど視界が良くは無いが、画像のように辛うじて米沢市街を見渡すことが出来た。愛宕山からの景色と比べるとかなり視線が低くなっていることが判る。


片倉山登山口
片倉山からは光明寺口へと下山したが、ちょうど夕方で太陽は愛宕山の向こうに既に沈んでいたため森の中は真っ暗で結構苦労する羽目になった。森を抜けた先は民家の裏庭だったが、これでもちゃんとした登山口だという。森の外からだと非常に道が分かり辛いが、画像の左に見える石塔(米沢市の上杉関連の墓所でよくみられる奴の一種か?正式名称が判らない)が目印になっている。


駐車場
登山口から少し離れた場所には登山者用の駐車場もあり、ここにハイキングマップの載った看板などもある。ただ、やはり初見ではかなり判り辛い。

2019年2月15日金曜日

晩秋の山形の旅:愛宕山館(山形県米沢市)

2018年11月3日訪城。

紅葉もピークを過ぎた11月に山形へと出かけ、初日は米沢市外周に聳える山々の中の愛宕山へと登った。この山々全体は斜平山と言うようで、愛宕山の他にも羽山や月山等があって信仰の山となっている。また、同時に中世の伊達家の時代に芦名氏の置賜盆地侵攻に備えてこの山々には城塞群が構築された。愛宕山もその中の一つで、愛宕神社奥宮のある山頂が愛宕山館の跡である。


紅葉
愛宕神社の里宮からそのまま山道を通って愛宕山へと登ったが、市民に親しまれている山なのか下山してくる人々と多くすれ違った。また、山道ではまだ紅葉が見られて所々綺麗だった。


愛宕山の山頂
道中に難所のようなものは全く無い為、愛宕山の山頂には簡単にたどり着いた。山頂の標高は555mで、麓からはだいたい300mくらい登っている。


愛宕山から見た米沢市街地
山頂からは米沢の市街地が一望出来て絶景でだった。画像の中央に見える街中の緑が米沢城跡の上杉神社である。


山頂
山頂は広く削平されており、L字状に平場が出来ている。愛宕神社は端の方にあるため、画像のあたりは伊達氏の時代に兵の駐屯用に削平したものだろうか。


愛宕神社奥宮
愛宕神社は山頂の平場の北西部に鎮座しており、この時は既に冬囲いがされて画像のように積雪対策状態になっていた。


土塁
この神社の周囲に残る土塁が愛宕山館の遺構とされており、社殿裏の画像の土塁の向こう側には堀も見られるらしいが、思いのほか低く密集した木が邪魔で確認できなかった。また、山頂には予想以上に頻繁に登山客が訪れる為、うかつな真似も出来ず確認は諦めた。

2019年2月11日月曜日

10月の松本・黒部への旅:黒部ダム(長野県大町市、富山県立山町)

2018年10月28日訪問。

松本城と城下を散策した翌日は大町市へと移動して扇沢へと向かった。もちろん黒部ダムに行くためである。

扇沢駅
扇沢駅は沢沿いの道を登った場所にあり、この時点でもかなり高い位置にある。ここまでは辛うじてまだ紅葉する山々を見ることが出来たが、駅の天候放送では立山の上は雪模様だった。


トロリーバス
扇沢駅からトロリーバスという電気で動くバスに乗ってトンネルの中をひたすら移動したが、確かに挙動が電車っぽくて不思議な感覚だった。ちなみにこの年がラストランだった為、来年からは電気自動車がここを走るようである。


展望台から見た黒部ダム
黒部ダムについてさっそくトンネル内から展望台まで登ったが、とにかく寒かった。黒部ダムに来るのは初めてのため、勝手が判らずとにかく雪国装備で来たが正解だった。展望台からは画像のように黒部ダムお馴染みの角度の写真を撮ることが出来たが、第一印象はまさに"でかい"だった。


下の方から見たダム放水口
展望台から階段を下の方に降りて放水口に近い位置から撮ったのが画像の写真。写真にすると実力不足でイマイチ迫力が伝わらないが、とにかく凄かった。


外階段
ちなみに階段はコンクリで固められた崖の外側に付いており、高所恐怖症にはかなり辛いルートだった。


ダムの上
ダムの堤の上はけっこう広く、車が十分すり違えれるだけの幅があった。画像だけだとちょっとカーブしている橋のようにも見える。


ダムの周囲の山
ダムも凄いが周囲の山々もどれも険しい岩山で、改めて黒部ダムがとんでもない場所にあることを思い知らされる。画像は長野県側の山(赤沢岳?)。


遊覧船ガルベから見たダム
ダム湖の遊覧船ガルベにも乗ったが、周囲の山々の景色が見事だった。あと、湖には流木が多くて不安だったが、遊覧船は慣れているのかぶつかることも無く無事に終わった。画像は船から見たダム提。

ただ、この時にカメラが不調をきたして壊れてしまった為、この後のダムカレーなどの予定は中止して扇沢へと下山した。ただ、黒部ダムのレストランは満席でヤバかったが、扇沢のレストランは空いていたので、ここで無事ダムカレーも食べて帰ることが出来た。