2019年4月18日木曜日

2018年冬最後の旅:横川館(福島県郡山市)

2018年12月15日訪城。

安子ヶ島の城下町は江戸時代には会津街道の宿場町でもあったが、そこから数百m西に行った場所にも横川宿という小さな宿場町があった。この横川宿の背後の丘にあったのが横川館で、この館は1145~1151年頃に都を追放された皇子が住まいとした場所である。

道標
横川宿は今は「よこかわ」だが、神社の由緒によれば元は「よかわ」という名の集落だったという。ちなみに集落の外側を五百川が流れているが、この川の名の由来は都から500番目の川であることに因んでいる。


横川帳附神社鳥居
横川館跡には今は横川帳附神社が鎮座しており、この神社は前述の追放された皇子の旅に付き添った司人が旅の無事を感謝して導きの神である猿田彦を祀った塚を造ったのが始まりだという。


横川帳附神社(横川館跡)
丘の上に神社の本殿があり、ここが横川館跡でもあるので周囲にある土塁も元は館跡の遺構なおかもしれない。恐らく集落に接する南側だけは段丘崖で、残りの三方向に土塁と堀を配した方形の館だったものと推測される。


空堀跡
神社の東と北側に空堀と思われる遺構があるが、それより外側には特に遺構といったものは見られなかった。そもそも段丘一帯を城と仮定した場合はかなりの巨城になってしまうため、神社のある場所付近だけが館跡と見て良さそうだ。