2019年8月4日日曜日

春のお花見お城散策関東編:早川城(神奈川県綾瀬市)

2019年3月31日訪城。

関東でも桜の満開の報告が聞こえて来た頃、週末に近場のまだ訪れていない城跡の桜を見に向かった。向かった先は横浜市の隣の綾瀬市にある早川城跡で、今は城山公園と呼ばれてちょっとした花見の名所となっている。

早川城はハッキリとした歴史は分からないが、この地を治めた渋谷氏の居城だと言い伝えられている。渋谷高重は早川次郎を名乗っており、この頃には城があったとされるが、もっと後に築かれたのではという説もあり定かではない。

堀切
城跡は舌状台地の先端にあり、丘続きの北側にはしっかりと堀切が造られていた。画像の左側が城内(主郭)で、見えている部分は土塁である。堀切自体は流石にある程度埋まっているようで、本来はもっと深い堀切のようだ。


主郭内部
堀切の中央に土橋が架かり、土塁の中央の虎口跡から主郭内部に入るとそこは今は桜の木が縁に植えられた広場だった。当然、渋谷氏の御殿がここにあったはずだが、説明板には周囲の土塁や堀の遺構などしか記載が無かったので謎である。


物見塚
主郭やや南西隅に物見塚という塚があるが、発掘調査の結果では土塁と構造が同じことが判明しており、墓の類では無く櫓台だったと思われる。ちなみにすぐそばに日本海海戦で有名な東郷元帥の石碑が立っているが、東郷氏の祖先が早川の渋谷氏ということに由来している。(先に述べた早川次郎こと渋谷高重の孫の渋谷実重が薩摩の東郷に移り住んで東郷氏を称した)


5~7分咲きくらいの桜
主郭の桜は残念ながら5分咲きから7分咲きくらいの状況で、花見には少し早かったようだったが、それでも地元の花見客がそこそこ訪れてブルーシートを広げていた。花見は天気と休みと開花具合が揃わないといけないだけに、見頃を見るのはなかなか難しいと改めて思う。


外堀
主郭の北側は堀切で切断されているが、東西は自然の沢を加工して外堀としており、画像のように深い沢で仕切られていた。なお、東側の外堀は近代に貯水池として利用したのかダムが築かれている。