2020年11月25日水曜日

冬の秋田旅行リターンズ:石黒家(秋田県仙北市)

 2020年2月9日訪問。

内町武家屋敷の通りを散策した後、先週は青柳家に入ったので、今回はお隣の石黒家にお邪魔した。

石黒氏は越中国の石黒庄を発祥とする一族で、源平合戦時の木曽義仲の家臣の石黒光弘などが知られている。戦国時代には上杉謙信や織田信長によって石黒氏は領地を追われており、ここからは想像になるが、この時に一族が各地に流浪して佐竹氏の元へやってきたのだろうか。石黒氏は当初は院内の鉱山町で働いており、佐竹義隣の家臣となって1656年に一緒に角館へと移住した。納戸役や勘定役を任されているので、事務処理的な才能を買われたのだろう。石黒家の武家屋敷は川原町にあったようだが、1853年に蓮沼七左衛門から今の屋敷を買い取って引っ越しして今に至るという。


薬医門
石黒家の入口は薬医門で、門脇に小さな屋根付きの塀が付いている青柳家や河原田家のような薬医門に比べるとシンプルな造りである。


母屋
石黒家の母屋は確か茅葺屋根だった気がするが、雪に覆われてすっかり見えなくなっていた。なお、角館に現存する武家屋敷の中ではこの母屋が最も古いのだという。


囲炉裏
勝手口から入ると比較的広い土間があり、式台で靴を脱いで中に上がると日本家屋特有の趣のある空間が広がっているが、中でもやはり囲炉裏がある光景には憧れを感じる。


欄間
建物の内部について色々説明を受けたが、ちょっと印象的だったのがこの欄間で、2匹の亀が掘られているのだが、元々の木目を水の波紋に見立てているというのが洒落が利いて良かった。


雛壇
内部の展示は季節ごとに変わるそうだが、この時は2月でもうすぐ雛祭りを控えている関係で雛壇が2つほど飾られていた。