2020年12月5日土曜日

冬の秋田旅行リターンズ:川を渡る梵天(秋田県大仙市)

 2020年2月11日観覧。

3日目は朝から角館を出発して大曲へと移動し、駅から北西へ行った場所の雄物川河川敷を目指して移動した。目的はこの日に行われる伊豆山神社の神事の一環である「川を渡る梵天」を見る為である。余談になるが「伊豆山神社」と言えば、熱海の走湯権現の伊豆山神社が有名だが、ここの伊豆山神社は無関係である。元は坂上田村麻呂が祀った山の社を始まりとする不老山神社だったが、江戸時代に本宮のある山の名前が「伊豆山」だからという意味で伊豆山神社に改称している。主祭神を見る限りではどちらかというと三嶋大社の系統に見える。


伊豆山神社(里宮)
泉町の町内に入ってしばらく行くと伊豆山神社の里宮があるが、町内を練り歩いている梵天は伊豆山の本宮へ向かっている為、ここは今回の祭りの舞台ではない。この為、境内には人は全くいないが、一旦立ち寄って参拝してから河川敷へと向かった。


伊豆山神社一の鳥居
里宮から北に600メートルほど歩いた場所に伊豆山神社の一の鳥居があり、これが本宮の最初の鳥居となっている。参道は本来はここから川を越えて対岸へと続いているが、現代だとずっと南にある大曲大橋を渡って迂回するしかない。


伊豆山神社本宮のある山
鳥居の前の堤防からは伊豆山神社本宮のある山が良く見えるが、流石に雪山なのでこの時期に参拝するには厳しい場所である。


ミニ梵天
河川敷の川に向かう途中には、小学生の作ったミニ梵天が並んでいたが、なかなか色々な模様があって面白い。


雄物川
河川敷を移動して雄物川の渡河地点まで来ると祭りの準備がせわしなく行われていた。川は予想していたよりも穏やかで、昔の人が船で渡っていたというのもよく判る場所だった。


梵天
町を練り歩いた梵天が続々と河川敷に到着すると、渡河前に祭壇みたいな舞台で儀式が行われ、その間に梵天は雪に刺して置かれていた。ただ、例年より雪が無いせいか立てるのに苦労しているように見えた。


餅撒き
舞台では到着した町内会ごとに歌?と餅撒きが行われ、これが終わってから船に乗り込むという流れで祭りは進行していった。


川を渡る梵天
船というか船を繋げて作った筏に近い乗り物に、2つの町内会の梵天が乗り込むと渡河が開始され、その間に梵天を上げてアピールする等しながら対岸へと移動していった。


対岸に着いた梵天
対岸に着いた梵天はそのまま本宮のある山を目指して移動していき、どんどん山の方へと消えていった。


続々と川を渡る梵天
どうも町内会ごとに移動速度がバラバラのため、進行の関係上船に乗る町内会の数はその都度アドリブで決めているようだった。


梵天
梵天の模様は町内会ごとにバラバラで、画像の「若竹町」なんかは竹みたいな色で、更に模様にタケノコの絵が描かれていて面白い。


川を渡る梵天(3町内会分)
続々と町内会が到着するとついに船に3町内会が乗る大所帯になったりもしたが、祭りはつつがなく進行していった。やがて全町内会が川を渡り終えると「川を渡る梵天」は御開きとなったが、神事自体はまだ続いており、この後は伊豆山の山頂で梵天の奉納が行われる。流石にそこまで行くのは大変なので、今回は川を渡る梵天だけを見て引き上げた。