2020年1月23日木曜日

GW北東北の桜旅:砂沢城(秋田県五城目町)

2019年4月29日訪城。

広ヶ野土塁と舌状台地を見て周った後は、五城目の町の北の山の上にある砂沢城を目指して移動した。

湊合戦で檜山安東氏が湊安東氏傘下の三浦氏一族を滅ぼした後、この地は檜山安東氏家臣の藤原秀盛に与えられ、秀盛は五十目の町を整備した。砂沢城はその時に築かれた山城で、秀盛は以降は五十目氏を称するようになる。

砂沢城遠景
町から北を見ると山頂が開けて模擬天守閣が建っている山があり、そこが砂沢城跡になる。秋田県は昭和の第一次お城ブームの時に模擬天守閣が各地に乱立しており、東北地方では飛びぬけて多い。


熊出没注意
麓まで来ると比較的新しい熊出没注意看板があったが、この年は異常なまでに熊が人里まで出てきており、意外とシャレにならない。


四渡園
麓の四渡園という公園のあたりは根小屋の跡で、五十目氏は普段はここで暮らしていたようだ。


稱名坂
根小屋跡から山の上の城に登る坂には稱名坂という名前が付いていたが、由来はよく判らない。稱名は南無阿弥陀仏みたいな念仏を唱えることだが、寺でもあったのだろうか?


雛壇状の腰郭
主郭の東側には雛壇状に腰郭が続いており、登城路はここを登っていく。後述する主郭と二の曲輪は遺構が壊滅しているため、城内では何気にこの辺りが最も遺構を残していたように思える。


主郭跡の模擬天守閣(五城目森林資料館)
主郭跡には模擬天守閣が建っており、正式名称は五城目森林資料館という。一応、歴史資料も一部あるが、基本的に五城目の森林や産業の展示がメインの資料館である。なお、今は遺構は見られないが、資料館が出来る前の調査では主郭跡からは土塁と柵列の跡が見つかっている。


模擬天守閣からの眺め
模擬天守閣の最上階からは五城目の町が見渡せて絶景だった。なお、山頂にはわずかだが桜の木もあり、一部は画像右下のようにほぼ満開になっていた。


二の曲輪跡
主郭の西側一段下にあった二の曲輪は無残にも大きく削られており、削ってできた場所が駐車場になっている。今となってはどういう構造だったのか確認しようもないが、長方形に伸びた曲輪だったと思われる。


堀切跡
砂沢城の背後の山と繋がる部分には堀切があったそうだが、現在は埋められて盛り土されて車道が通っている。もしかすると、ここを埋めるために二の曲輪を削って土砂を運んだのだろうか。


麓の桜
城の麓には五城目小学校があり、ここのグラウンドのソメイヨシノが満開で綺麗だった。画像はその桜越しに見た砂沢城跡。